コラム
小児歯科で行うフッ素塗布による虫歯予防について
✔フッ素塗布はいつからやるべきなのか
✔フッ素塗布のやり方や頻度について
✔フッ素塗布の料金や相場について
誰でも1度はフッ素という言葉を聞いたことがあると思います。
フッ素は歯を強くする効果が高いことから世界各国で虫歯予防に用いられており、小児歯科でよくオススメされるフッ素塗布は、むし歯の予防歯科の方法の一つです。
毎日の食事を通じて私たちの身体に摂取され、歯や骨を健康に保つために必要な栄養素の1つなんだ。
フッ素塗布とは
フッ素塗布とは、その名の通り歯にフッ素をつける処置のことです。
主に、虫歯予防のために用いられています。
フッ素塗布は、乳歯の前歯が生える1歳頃から受けることが可能です。
特に、乳歯・永久歯が生えたての時期は吸収をしやすく、強い歯を作りやすいといわれています。
フッ素塗布のメリットとデメリット
✔再石灰化の促進
✔歯質の強化
✔酸の抑制
再石灰化の促進
フッ素には、再石灰化を促進する力があり、虫歯の予防効果が見込めます。
実は、健康な歯でも食事をするたびに、表面が日々溶かされています。
しかし、それと同時に唾液の力で溶けた表面を修復しています。
これが再石灰化です。
歯質の強化
フッ素には歯質を強化する効果もあります。
特に、幼児の生えたての乳歯は、柔らかく溶けやすい状態です。
したがって、虫歯になりやすく、進行も通常より早くなっています。
フッ素を塗布すると歯質が強化され、溶けにくい歯になるといわれています。
生えたての弱い歯をフッ素の力で強化すれば、虫歯予防の効果が期待できるでしょう。
酸の抑制
虫歯は、歯垢(プラーク)が出す酸により徐々に歯に穴があくことにより、発症します。
フッ素には、この歯を溶かす原因の酸の働きを抑え、抑制する効果が見込まれます。
小さいお子様は、口に食べ物を入れている時間も長く、丁寧に歯磨きをしてあげても磨き残しがある場合があります。
フッ素塗布することにより、取りきれなかった歯垢(プラーク)から出る酸を抑えて、虫歯予防の効果を期待できます。
✔フッ素は危険というイメージがある
✔保険適用外?
結論からいうと、フッ素塗布は安全です。
フッ素は、単体だとガラスやプラスチックを溶かせるほどの酸化作用があり、人間にとっては猛毒となります。
そのため、フッ素塗布は危険、子どもに受けさせない方が良いというイメージや意見があるかもしれません。
しかし、歯科医院で使っているのは安全性の高いフッ化ナトリウムで、単体のフッ素とはまったく異なります。
単体で身体に摂取されることはなく、危険性はありません。
また、歯科医院でのフッ素使用量でフッ素中毒 (嘔吐・腹痛を伴う) になることもないので、安心して受けられます。
フッ素塗布はいつからやるべきなのか
結論から言うと、フッ素塗布をはじめるおすすめの時期は1歳半ごろからです。
初めての乳歯が生えてくるのはおおよそ生後6か月頃。
しかしまだ下の前歯が2本生えてくる程度で食べ物を噛むこともできないため、フッ素塗布は不要です。
ここから徐々に前歯が生えそろい始め、1歳半ごろまでに上下の前歯4本ずつ、合計8本になります。
このタイミングが、フッ素塗布開始のおすすめ年齢。
むし歯になりやすい年齢でもあるので、まずはこの時期をむし歯ゼロで乗り切ることを目指したいですね。
フッ素塗布開始にともない、かかりつけになるような歯医者さんを探しておくと安心です。
フッ素塗布は、永久歯が生えそろったあとの14〜15歳程度まで続けるのがおすすめ。
生えたばかりの永久歯はまだ未完成な状態。
唾液中のミネラルが取り込まれることで強い歯に育っていくため、特にこの頃はフッ素塗布の効果が高いです。
フッ素塗布を活用しながらこの年齢までむし歯ゼロで乗り切れたら、むし歯になりにくい抵抗力の強い大人の歯になることが期待できます。
フッ素塗布の方法
フッ素塗布は、主に以下の4つの方法が用いられています。
- 綿棒法
- 歯ブラシ法
- フッ素洗口
- トレー法
どの方法でもフッ素塗布が終わったら唾液を吐き出し、30分間の間うがいや飲食はしてはいけません。
また、どの方法でもフッ素塗布は定期的に継続して行うとよいでしょう。
【方法1】綿棒法
綿棒などにフッ素をつけて、歯に直接塗る方法です。
ピンポイントで塗布することが可能で、3〜5分で終わります。
小さいお子様でも、ストレスを感じさせにくいことが特徴です。
【方法2】歯ブラシ法
ジェルタイプのフッ素を歯ブラシにつけて、通常の歯磨きの要領で塗っていく方法です。
家でも取り入れら、自宅でする場合は、1度歯磨き粉をつけないまま歯を磨きます。
その後、もう1度歯磨き粉をつけて磨くことにより、フッ素が歯につきやすくなるのです。
歯ブラシの後、口をゆすぎすぎないのがフッ素を残すコツです。
最後に1、2回優しくゆすぐ程度で終わらせましょう。
【方法3】フッ素洗口
フッ素洗口は、フッ化ナトリウム入りの洗口液で1分間ほどうがいをする方法です。
フッ素洗口には、週1回だけ行うものと、週5回取り入れるものがあります。
これらは、フッ素の濃度が異なっているので、使用方法を守るようにしましょう。
手軽にできるので、継続しやすいというメリットがある反面、液を飲み込みすぎると副作用があるともいわれています。
お子様が利用するときは、親御様が側についてあげましょう。
【方法4】トレー法
トレー法は、既存のものまたは個人に合わせたトレー(マウスピース)に、ジェルまたは液体タイプのフッ素を入れる方法です。
トレー(マウスピース)を口に加えることでフッ素を塗布します。
直接、かつ、長い時間フッ素に触れられますが、トレーを作るには技工士の型取りが必要です。
そのため、期間がかかり費用も高くなりやすいです。
自宅でのフッ素塗布の方法
フッ素配合歯磨き剤
当院の窓口、または当院のオンラインショップで購入できます。(歯科専売品のため、通常販売はありません)
一般に販売されているフッ素配合の歯磨き粉は1000ppm前後が多い中、こちらの歯磨き粉は1450ppmを配合!(子供用は500ppmとなります。)
大人の方でも、いつもの歯磨き粉をフッ素配合の歯磨き粉に変えることで、手軽にむし歯予防ができます。
フッ素ジェル
食後や就寝の直前に使用します。
単体で使用しても、フッ素入り歯磨き剤の後に使用しても構いません。
使用後はうがいをせず、唾と一緒に吐き出す程度に留めてください。
フッ素配合歯磨き剤と同様の理由で、就寝前に使用することで、フッ素が長く口腔内に留まります。
フッ素洗口液
歯磨きの後などに使用します。
刺激が苦手な方は、ノンアルコールタイプのものがおすすめです。
フッ素配合歯磨き剤、フッ素ジェルと同様に、就寝前の使用が特に効果的です。
これらの商品は当院の受付でも販売しておりますので、お気軽にお問い合わせください。
また、ご来院が難しい方はぜひ当院のオンラインショップをご利用ください。
歯科医専売品も多数出品しており、原料や素材にこだわった商品をたくさんラインナップしております。
フッ素塗布の料金や相場など
当院では、フッ素塗布については保険適用にて対応させて頂いております。
クリーニングを含めたフッ素塗布の費用は保険適応範囲内となると0円~500円(税込)となります。※条件あり
その他に特別な料金などはいただいておりません。
保険内容によって変動することもあるので、詳しくは当院までお問い合わせください。
よくある質問
ですので、乳歯が生え始めたらすぐにフッ素塗布を受けられることをおすすめします。
歯科医院でのフッ素塗布、ご自宅でのフッ素による予防を併用することをおすすめします。
歯磨きやデンタルフロスによるセルフケア、食事の摂り方の改善、歯科医院での定期的な歯石除去・クリーニングも重要になります。
しかし歯科医院で使用するのは、安全性の高いフッ化ナトリウムです。毒性はなく、小さなお子様でも安心してお使いいただけます。また、オーラルケアグッズに含まれるフッ素についても同様です。
フッ素のむし歯予防効果に、年齢制限はありません。多くの歯磨き粉にフッ素が配合されているように、大人の歯にもフッ素塗布は有効です。
特に大人の場合は、「むし歯を治したところがまたむし歯になる」ことや、「歯茎が下がって歯の根元の弱い部分が露出し、むし歯になる」ことなどを防ぐ効果が期待できます。
根拠を説明するために、まずは歯の仕組みからお話します。
乳歯と永久歯は、どちらも生え始めたときはデリケートな状態です。
唾液の中に含まれるミネラルを取り込みながら、時間をかけて硬くなっていきます。
つまり、歯を強化する効果が見込めるフッ素も取り込みやすい状態ということです。
フッ素を取り込みやすいといわれている、乳歯と永久歯が生え始めてから約2年は塗布を行いましょう。
永久歯は、だいたい12歳で生えそろいます。
そのため、14歳ごろまではフッ素塗布を受けさせてください。
継続して塗布することで、虫歯予防の効果が期待できます。
お問合せ
ワラワラデンタルクリニックではホワイトニングのご相談もお受けしております。
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